新年あけましておめでとうございます。
旧年中は、ご愛読いただきまして誠にありがとうございました。
本年も当ブログ、皆様に楽しんでいただけるように新鮮な話題を探し、調べて、お知らせしてまりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、新春第一回目の更新にて紹介するダンボールは、「医学書院」です。
医学書院は、70年以上の歴史を誇る老舗の医学書専門の出版社です。
医学書というと、なかなか難しそうだなと思われるかもしれませんが。
私自身、医学については全くの素人ですので、専門的な用語は使いませんので安心して下さい。(という使えません。)
最初に、医学書院の創業時の話とその創業者について紹介します。
次にその看板商品ともいえる三つの出版物について紹介します。
まず、医学書院の始まりの歴史とその創業者について紹介します。
医学書院は、日本医学雑誌株式会社という名称で太平洋戦争最中の1944年に誕生しました。
この当時、戦時立法であった国家総動員法によって、政府は医学系出版社数社に合併を命令しました。これによって誕生したのが、日本医学雑誌株式会社です。この時は、主に医学系の雑誌を出版していました。
当初は、不動産にまで手が回らなく、休業したレストランを借りて営業していたというから、創業時の苦労がうかがえます。
戦後になって、書籍出版にも進出することになり、1950年に社名も日本医学雑誌株式会社から医学書院に改称することになりました。その後、この名称が現在まで続いています。
創業者は、金原一郎という人物です。東京帝国大学(後の東京大学)出身のエリートながら、「まむし」というすごいあだ名をもつ人です。その由来は、食らいついたら離れないところというから来ているといいますから、なかなかすごい人のようです。
このあだ名から名付けられた「まむしのたわごと」というエッセイの連載を、自社の雑誌に掲載していました。
私が面白いと思ったのは、第一集収録の「ある結婚式での祝辞 お似合いの御夫婦というのはみんな嘘」です。
……「まむし」と言われるだけあって、なかなかの毒舌です。
このエッセイは、医学書院のHPで見ることができます。
次に、その出版物の中から看板商品ともいえる三つを紹介します。
最初に紹介するのが、医学生向けの教科書である「標準」シリーズです。
医学生が使う教科書には大きく分けて、 基礎医学系と臨床医学系があります。
基礎医学とは、病気の原因や人体のメカニズムについて研究する医学分野を指します。一方、臨床医学とは、実際に患者に接して診断・治療を行う医学分野のことです。どちらも、医師となる人間には必要な知識です。
医学書院の「標準」シリーズ は、基礎系・臨床系のほぼ全領域を網羅し定期的に改訂されているため、ほとんどの医学部生に購読されているそうです。
また、2018年になって、この 「標準」シリーズ の電子版が発売されるようになって、さらに便利になりました。書籍版はかなりの厚さがあり、 基礎系・臨床系合わせて28タイトル もあるので、電子版の登場は勉強効率のアップに役立ちそうですね。
実際、ネット上には医学教育のパイオニアと言われる Dr.孝志郎の電子版の活用法の記事がありました。
つぎに紹介するのは、 看護学生を対象とした教科書である「系統看護学講座」です。
この教科書は、全国の看護学校で圧倒的なシェアを誇ります。看護師の方の中には、この教科書で勉強したという人も多いのではないでしょうか。
この教科書は1968年に、看護基礎教育の新カリキュラムの実施に合わせて、系統別に体系化された教科書として創刊されました。その後も、この系統別という形態は維持されつつ、カリキュラムの変更などの時代の変化に合わせて出版され続けていきました。50年という長い間、出版され続けているというベストセラーです。
現在、幾つかの巻では、動画での看護技術や手順の確認ができるというサービスも行われています。 確かに、患者にどう接するのかは、写真や文章で説明されるより動画で見た方がわかりやすいですよね。
また、この「系統看護学講座」でも電子版が出版されています。
以上のように、主に学生向けの医学・看護の教科書に強い出版社であり、「医学書院といえば教科書」というように認知されています。
最後に紹介するのは、「今日の治療指針」です。
これは、さまざまな病気の治療法を、それぞれの専門家が執筆した治療年鑑です。 1959年の発行以降60年にわたって毎年発行され続けています。文章は定型化されていて、その病気の治療法や注意が一目で分かるようになっている。まさに治療の辞典ともいえるものです。
もちろん、これにも電子版があり、書籍を購入すると無料で、WEB・電子版が閲覧できるようになります。
老舗の出版社だけに、長い歴史を持つシリーズをいくつも持っていますね。この教科書で育った、医者や看護師が日本の医療現場にたくさんいると考えると、「医学書院」が日本の医療を支える一助になっていることは間違いないでしょう。
最後に、段ボールの情報です。
【サイズ】縦25.5cm×横39cm×奥行29.5cm
【紙質】硬い
書籍の運ぶ段ボールだけあって、「水濡厳禁」の注意書きがありますね。
「草加流通センター」 とは、全国への書籍発送の拠点となる医学書院の流通センターのことです。